放射能検査結果ニュース 2017№04
2017年度の関西独自消費材の放射能検査結果をお知らせします。
月刊コラム Monthly Columun
毎月更新の「放射能検査なるほどコラム」。
生活クラブの放射能検査のしくみや放射能対策について、わかりやすくお伝えしています。
>放射能検査なるほどコラム Vol.15
福島第一原発事故から6年余り。過酷な事故の影響は今も色濃く、普通の暮らしを奪われたままの被害者も多数存在します。一方で、真剣な事故の反省もないまま、国内の原発は再稼働に向けて動いている状況でもあります。原発の再稼働の問題点について、あらためてハカセに聞いてみました。
■ 再稼働に向け動いていく
日本国内の原発
Q.現在、日本国内の原発はどういう状況にあるのでしょうか?
A.2017年7月現在、日本国内には70基にも及ぶ原子力発電所(廃炉と着工準備中を含む)があります。そのうち5基の原発が稼働しています。伊方原発3号機(愛媛県)、川内原発1、2号機(鹿児島県)、高浜原発3、4号機(福井県)の5基です。
■ 放射性廃棄物の処理方法が
あいまいなままの原発再稼働
Q.再稼働の問題点としてはどのようなことがあるのでしょう?
A.そもそもの、原発という存在自体の問題点になりますが、原発の稼働によって生み出された放射性廃棄物の処理方法が確立されていません。原発で生み出された放射性廃棄物の多くは、その半減期を繰り返して減衰するのを待つしかなく、現在は、原発の敷地内や六ヶ所再処理工場の保管プールに保管されています。しかし、その保管場所は10年以内に枯渇するとされ、対応が必要です。
Q.よく原発は「トイレのないマンション」と言われますが、放射性廃棄物の処理方法があいまいなまま、原発が稼働しているんですね
A.一番の問題は、高レベル放射性廃棄物を1万年間以上安全に保持できる場所がないことです。地震国の日本にそのような適地があるとは思えません。はなはだ無責任な状態のまま、原発を稼動して放射能を量産していく。再稼働にあたって、この問題は何ら解決されていないのです。
■ 実効性のある避難計画がないまま
再稼働されている問題も
Q.再稼働にあたっての問題点は他にもありますか?
A.原発の再稼働は、原子力規制委員会が新規制基準に従って審査をしていますが、万が一の過酷事故発生の際の避難計画の策定は審査基準の対象となっていません。避難計画は、自治体任せになっているのが実情です。
■ 原子力発電は
不合理で不経済な発電方法
福島第一原発事故でその実態があらわになりましたが、やはり原発は不合理で不経済な発電方法です。使用済み核燃料の管理費や処分費、万が一の原発事故の損害を考えれば、原発が最も値段の高い発電方法と言わざるを得ません。「原発が安い」という喧伝は、本来原発の運転に必要な経費を小さく見積もっています。
原発は、地方差別の上に立地している装置であることも問題です。賃金格差のなかで被曝労働をする使い捨ての原発労働者を必要とする装置なのです。
福島第一原発事故から6年余りが過ぎ、風化も心配される中、数々の問題に目をつむってここでなし崩し的に次々と原発の再稼働を許してよいのかということを、私たちはいま一度考えなければならないと思います。
■ 生活クラブは脱原発社会に向けた
取り組みを続けます
生活クラブでは、福島第一原発事故の発生以来、数度にわたり政府に要請や政策提案、パブリックコメントを行い働きかけしてきました。各地の原発再稼働反対のパブリックコメントや意見書も複数回提出しています。今後も、脱原発社会、持続可能なエネルギー社会に向けた積極的な取り組みを行っていきます。
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