放射能検査結果ニュース 2016№06
2016年度の関西独自消費材の放射能検査結果をお知らせします。
2016年度 関西独自消費材の放射能検査結果
▶ 関西独自材の放射能測定結果
生産者 対象消費材・産地 |
検査日 検査機関 |
Cs134 | Cs137 |
セシウム 合計 |
---|---|---|---|---|
宮崎きのこ園 えのき茸・長野県 |
9月28日 生活クラブ |
ND | ND | ND/6.8 |
竜王町稲作経営者研究会 竜王米(みずかがみ)・滋賀県 |
9月30日 生活クラブ |
ND | ND | ND/1.0 |
【検査結果の見方】 単位:㏃/㎏ 「検出値/検出下限値」で示します。
半減期の長いセシウムに絞って検査をしています。セシウム134、セシウム137の合計値で「検出限界値」を記載します。
検出値欄のNDは、検出限界値未満での不検出を表します。
※2013年4月から生活クラブ飯能DC検査室に導入した5号機はセシウム137とセシウム134の合計値で算出することにより感度を高めています。そのため、連合会の検査ではそれぞれの数値は表示されません。
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▶ 生活クラブ連合会の放射能測定結果
9月は690検体の放射能検査を実施しました。
8月5回~9月3回 (8/29~9/25)の放射能検査は690検体で、そのうち657検体(94.4%)は放射性セシウム不検出でした。検出はいずれも関西では取扱いのない消費材で、生椎茸5品目17検体、菌床生椎茸1品目2検体、舞茸3品目12検体、レンコン2品目5検体、もち米1品目1検体、岩手一関米1品目1検体、黒磯米1品目1検体の14品目・39検体でした。
検査の詳細情報は、生活クラブ連合会のWEBサイトの放射能検査結果Web検索をご参照ください。
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11月すくすくカタログ企画予定品目一覧 放射能不検出確認済み食品
洋風だし粉末
甘口カレールーフレーク,餃子
ミックスチーズ
甘酒
冷凍ゆでうどん
豚肉ひき肉
トマト鍋の素
素精糖,丸大豆醤油500ml
鶏肉手羽元500g
エコシュリンプむき身
オリーブオイル
高野豆腐(無消泡)
1)飲料水には、国の基準と同じ「緑茶」だけでなく、「麦茶」や「抹茶」などの茶類を含みます。
2)旧基準の「乳製品②」を「乳製品①」に結合し、新基準の「乳製品」とします。
3)新基準の「青果物」には、「生椎茸」を除く「きのこ類」を含みます。
4)検出下限値を目標としている理由は、測定する消費材の比重等により、検査結果にバラつきが生じるためです。
*生活クラブが目標とする放射能検査の「検出下限値」は、他団体とは異なり、セシウム134 と137の 合計値です。しかも、自主基準値の1/4以下の精度です。
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「教えてハカセ!」シリーズ、今回は放射能の被曝について取り上げます。外部被曝と内部被曝のことなど、いろいろな側面からハカセに聞いてみました。
■放射線は遺伝子の結合を分断しうる
莫大なエネルギーを持っている。
---放射線の被曝が怖いのは、どういう理由からなんですか?
放射線の持つエネルギーは、すさまじいものだからです。放射線は、およそ100 万ボルトの電圧ぐらいのエネルギーを持っています。それに対して、化学物質の原子と原子を結びつける力はたかだか10ボルト。つまり、放射線が1個エネルギーを放出すると、10万個ぐらいの化学結合を分断することが可能なわけです。化学結合の固まりである遺伝子などは、放射線を受けることによって配列がずたずたになってしまう。それぐらい、放射線というのは莫大なエネルギーを持っているんです。
■外部被曝と内部被曝の両方に
それぞれ注意が必要。
---外部被曝はどのようなもので、どうすれば防げますか?
外部被曝とは、文字通り放射線を外から浴びること。屋外では放射線はどんどん分散して広がるので、放射性物質から離れれば離れるほど薄くなります。だから、放射性物質から距離を取るというのは、外部被曝から身を守るために有効な方法です。
---内部被曝はどのようなもので、何に注意すればいいですか?
内部被曝は、放射性物質を身体の内部に取り込んで被曝すること。水や食品中や空気中の放射性物質を「食事」や「呼吸」で取り込むことで起こります。食べ物に注意するのと同時に、放射性物質を含むほこりなどを吸い込まないようにすることも大事です。
東京電力福島第一原発事故から5年以上が経ちますが、実は福島県内のほこりに含まれている放射能は案外減っていないという事実があります。除染を進めても、細かいほこりのようなものは、除染されていない土地や山林などから舞ってきてしまうからです。吸ったほこりがのどを通過して肺まで入ってしまうと、体外に出ることはまずないので注意が必要です。汚染のひどい場所には立ち入らないことが一番です。
■放射能は体内に入るととても怖いもの。
---アルファ線やベータ線は透過力が弱いのに、内部被曝では要注意と言われるのはどうしてですか?
アルファ線やベータ線は、ガンマ線などより透過力は弱く、外部からの場合は、建物や洋服でさえぎられることがほとんどです。しかし、だからこそ内部被曝では注意が必要。なぜかというと、放射線は、止まったときにそこでエネルギーを放出する性質を持つからです。つまりアルファ線やベータ線が食物などと共に体内に入った場合は、直接胃壁や血管などに当たって、止まった瞬間にそこで小さな爆発を起こすようなイメージです。逆に透過力の強いガンマ線は、体内で発せられても通過してしまう量のほうが多いのです。だから内部被曝については、よりアルファ線やベータ線への注意が必要なのです。
食物についての国の放射能基準値は、内部被曝だけを想定して設定されています。しかし、実際には外部被曝の影響もあることを考慮しなくてはいけません。だからこそ生活クラブでは、「食べ物からの内部被曝のリスクはできるかぎり少なくすべきである」と考え、国の基準より低い、放射能の自主基準を設定しているのです。
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